山形県で開かれた第36回全国障害者技能競技大会(アビリンピック、高齢・障害・求職者雇用支援機構など主催)で、ミツバ特例子会社のアムコ(桐生市相生町五丁目、武藤春喜社長)に勤務する佐藤明斗さん(29)=同市相生町一丁目=が表計算部門で最優秀の金賞に輝いた。同大会での金賞受賞は、県が1973年に選手団の派遣を始めて以来、初めて。山形鋳物でできたメダルを手に、佐藤さんは「ずっしりきました」と喜びをかみしめている。
この大会は、障害者が技能を競い合うことによって職業能力向上や雇用の促進を図る趣旨で72年から開かれている。今年は10月28日から30日まで開かれ、県は5職種に5人を送った。
北海道釧路市出身の佐藤さんは、父親の仕事の都合で玉村町に転居。今年1月にアムコに入社し、3カ月の試用期間を経て、4月から正社員に。就職を機に桐生市内に引っ越した。会社ではCAD(コンピューター利用設計)で、紙の図面から2次元や3次元の図面データを製作する業務に就いている。
表計算の競技は、提供されたデータを基に、75分間の制限時間で集計やグラフ作成など所定の課題を終えるもの。佐藤さんは40分あまりで全作業を終え、主催者の講評でも「完璧だった」と絶賛される内容で出場25人中トップの成績を収めた。
大会の2カ月前から1日2時間、2週間前からは同4時間の練習を積んだ。「金賞に決まってびっくりしましたが、練習していたのと近い課題が出て、結構いける手応えがあった。大変でしたが報われました」と振り返る。人生初の金メダルは「見た目はあまり大きくないけれど、ずっしりきた。これが金メダルなんだなと思いました」と笑う。
全国大会は他の職種であれば出場可能。佐藤さんは「また機会があれば、今度は機械CADに出てみたい」と、さらなる意欲をみせている。
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