桐生市広沢町四丁目で自動車整備業を営む周藤行雄さん(67)が鳥獣駆除に長年携わった経験と整備のノウハウを生かし、イノシシ捕獲おりを開発した。掛かった獲物を安全に仕留められるよう獣が暴れないよう工夫した。特許取得済みで、県外の自治体からも引き合いが来ている。
周藤さんは関東選手権で2回優勝した経験もあるクレー射撃の名手。桐生市の有害鳥獣駆除隊で20年以上駆除に携わった。駆除で捕獲されたイノシシは暴れて抵抗するため、銃で仕留める際におりが動いて銃弾が跳ね返ったり、やりや電気棒も折れる危険がある。より安全なおりを作りたいと、10年前に開発に着手した。
肝はおりの底。ハンドル式の手巻きウインチで底部をワイヤで巻き上げて獣の脚を地面から離し、天井との間に体を固定して完全に身動きを取れなくする。おりの開閉もワンタッチで可能にし、設置作業を簡略化した。
安全に配慮し
特許自体は2012年に取得していたが、現場での使用に耐えうるものにするためには細かい改良が必要で「考え抜き、もう大丈夫というまで、ここまでかかった」と周藤さん。ようやく今年商品化すると、他県の自治体からさっそく依頼が舞い込んだ。
大きさは奥行き約2メートル、高さ約1メートル。開閉口の高さ約2メートル。鉄製。価格12万円(税込み)。イノシシのほか、シカやサルにも有効だ。周藤さんは「長く駆除に携わってきて、いろいろな場面に出合い、安全簡単な処理を考えてきた。駆除従事者も減っているし、困っている地域で使っていただくのが夢」と話している。
関連記事: