桐生市は9日午前、2018年度当初予算案の概要を示した。一般会計は前年度当初比0・1%増の444億1000万円。新規事業では、老朽化した市学校給食中央共同調理場(美原町)を、相生町四丁目に移転整備するための設計業務に着手する。現在地で全面改修する市陸上競技場(元宿町)の設計にも着手。市運動公園(相生町三丁目)内に着工する新市民体育館も含め、いずれも20年度完成を目指す。市は同日午後の会見で同予算案の詳細を発表予定。同予算案は20日開会の市議会定例会に提案される。
桐生市の学校給食共同調理場(小中学校・特別支援学校28校、幼稚園7園に配食)は、中央(美原町、22校7園6995食)、新里(新里町山上、4校1443食)、黒保根(黒保根町水沼、2校107食)の計3カ所ある。
建設時期は中央が1969年、新里が2000年、黒保根が1993年。特に築49年の中央は施設・設備両面で老朽化が目立ち、給食の異物混入事故などもあり、早期建て替えを求める声が各方面から出ていた。
新年度予算案では、学校給食中央共同調理場を相生町四丁目に移転整備するための設計業務費1557万円を計上した。
16年11月に市が現在地で全面改修する方針を示していた市陸上競技場整備には、設計業務費4195万円を計上。市運動公園内に新年度着工する新市民体育館整備にも建設工事費4億2710万円を盛り込んだ。
人口減克服に向けた定住促進策にも重点配分。過疎対策の一環として、市黒保根町水沼の市営住宅地に、子育て世帯向け木造平屋建て6棟の定住促進住宅整備に1億4437万円を計上した。
市内での住宅取得やリフォーム、空き家の利活用や除却などを助成する既存事業「きりゅう暮らし応援事業」にも、新たな見直しを加えて計2億8040万円を盛り込んだ。
新たな雇用創出を図ろうと今春完成に向けて市が県企業局と整備中の「桐生武井西工業団地」(同市新里町小林)。早期完売に向けた用地取得費助成に2000万円を、周辺道路整備に864万円をそれぞれ計上した。
子育て支援策にも引き続き注力。大型遊具を導入した親子向けの屋内遊び場を市保健福祉会館(末広町)3階に開設するほか、児童相談所と連携した取り組みが必要な家庭を支援する「子ども家庭総合支援拠点」を、市保健福祉会館内に設置する。
群大理工学府の大学院生が市立中学校での理科教育を支援する「サイエンスドクター事業」も拡充。新たに市立幼稚園の園児を対象にプログラミング教育の基礎を教える。
インフラ整備も相次ぎ本格化。堤町三丁目―宮前町一丁目間の県道前橋大間々桐生線拡幅に伴う赤岩線整備に7億4482万円、本町三丁目交差点―中通り間の県道小俣桐生線拡幅に伴う幸橋線整備に2億7441万円、新桐生駅(広沢町二丁目)周辺整備に2億9518万円、市場併設型木材置き場(梅田町四丁目)整備支援に5320万円を計上している。
また国際姉妹都市交流では、桐生市として15年ぶりとなるイタリア・ビエラ市への公式訪問に497万円。米国コロンバス市との姉妹都市締結40周年を記念し、中学生の同市派遣事業に530万円を盛り込んだ。
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