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Channel: ウェブ桐生タイムス
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遠くはない

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 南海トラフと根室沖の巨大地震の発生確率が80%に引き上げられたと、政府の地震調査委員会が公表した。南海トラフでは最悪の場合、津波などで約32万人が死亡。避難者の数は地震発生から1週間で最大950万人に上るという▼南海トラフは海のない群馬からは遠いイメージがある。静岡から四国にかけての太平洋側にある、深い溝状の地震発生帯のこと。同地震での群馬県桐生市の揺れは震度5弱と想定。東日本大震災のとき、桐生市は同6弱だった▼喉元過ぎれば何とやらで、7年前の震災当日のことを、私はすっかり忘れて日々を送っている。日記によると、本社の3階にいた。大揺れで棚から冊子が床にばらまかれ、天井からはがれたタイルが落下。外へ逃げた。揺れは収まらず水銀灯がしなり、道向こうの屋根瓦が落ちた。家族の安否を確認したかったが、携帯も固定も電話は通じなかった▼翌日からガソリンや灯油が買えず長蛇の列。物流停滞や被災地への供給で食料品や水が品薄に。毎日余震や原発の情報が流れ、風邪も流行した▼巨大地震の発生確率は日に日に上がっていく。東京や海沿いの遠隔地で暮らす子や孫を持つ人は多いだろう。南海や根室は遠いが、遠くはない。(
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