みどり市笠懸町鹿で建築業を営む池田正一さん(65)が、三重塔の木製模型を完成させた。高級木材であるタモの端材などを使い、足かけ5年で手づくりしたもので、実物の10分の1の精巧な作品。13日から同市役所笠懸庁舎の2階ロビーで展示が始まり、訪れた人の目を引いている。
池田さんは西極寺(桐生市堤町)の本堂新築や光明寺(同市宮本町)の改築など神社仏閣の建築も手がけた大工で、この道50年のベテラン。「こんな仕事をしたと子や孫に伝えるものを残したい」と、本業の合間を縫って三重塔の模型作りを始めた。
大雄院(桐生市広沢町)の三重塔をモデルに、実物の柱の太さと間隔を実測。それをもとにいったん実物の設計図を再現し、それを10分の1に換算しながら、高さ2・3メートル、重さ約40キロの模型に立体化した。
屋根の反りや、軒先に整然と並ぶ化粧垂木の美しさ、屋根を支える肘木の組み合わせなど、その精密さは一見の価値あり。池田さんも「仕上がりには満足してます」と胸を張る。
笠懸庁舎では年内をめどに展示するという。
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