絶滅の恐れがあるとして県のレッドリストに掲載されているマメ科の植物「ノアズキ」を守ろうと、みどり市の市民団体・笠懸町花の会(新井巌雄会長)が動き始めた。同市笠懸公民館そばのJR両毛線沿いで近年見つかったのを機に、同会が公民館の花壇で育てていたノアズキから初めて種を採取。来年夏ごろ同町鹿の鹿田山に移植して、自然の里山での保全・増殖を図る考えだ。
ノアズキ(野小豆)はつる性の多年草で、別名ヒメクズ。茎は針金状に長く伸び、全体に短い軟毛がある。花は黄色。県が2001年に発刊し12年に改訂した植物レッドリストで、当初は未指定だったが、12年の再評価時に初めて「絶滅危惧Ⅱ類」(絶滅の危険が増大している種)に指定された。
笠懸公民館そばの線路沿いで一昨年、桐生市相生町在住で植物研究グループ「鳴神塾」代表の佐鳥英雄さんの情報を受け、みどり市大間々町在住の農学博士で同塾メンバーの古谷航平さん(77)が発見。種から育てた苗を花の会に提供し、公民館の花壇で2株を育て始めた。
つるが数本の支柱を上るように育った2日、古谷さんと新井会長(73)ら会員が集まり、さやに入った種を採取した。
古谷さんは「在来種のノアズキが県内ではほとんど見られなくなってしまった。除草剤などの影響が考えられる。遺伝子源や生態系を守るためにも、移植など現実的な取り組みで保全を図るべき」と期待。新井会長は「来年6月ごろ鹿田山に移植し、自然の中で増やしたい」としている。
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