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Channel: ウェブ桐生タイムス
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生きた言葉

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 映画「3月のライオン」(大友啓史監督)の前編を見た。原作となった羽海野チカの漫画が好きで、勝手に「見届けなくては」という使命感に燃え、映画館に駆けつけた▼原作に思い入れが強い作品の実写化は楽しみより、不安が大きいが、映画は「面白かった」。原作を、あるいは将棋の世界を知らない人には、この展開で話についていけるのか、聞きたいところはあるが▼ただ、楽しくは見たが、残念に思ったことが一つある。上映中の作品なので詳しくは語らないが、大好きな場面の一つで、印象に残るセリフがなかったのだ▼しかし、時間がたつにつれ、なくて良かったと思えるようになった。書き言葉と話し言葉は違う。俳優があのセリフを言ったら、映画の世界から言葉が浮き上がってみえたことだろう▼コロンバス市に派遣された高校生の報告会を取材した。日本語が通じない環境が「つらかった」と語った高校生。それでも「同年代とはスラスラ話せなくても通じ合えた」と振り返る▼言葉はあくまで道具で、何を伝えるかの方が重要だ。だが、伝え方で伝わり方は違ってくる。どんなに優れた翻訳機が生まれようと、どう伝えるかは人間が考えなければならない問題だろう。(
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