一緒になるどころか、“分割仲間”が逆に増えるそうだ。国の審議会が19日に示した衆院小選挙区の区割り改定案。同一自治体に異なる選挙区を抱える桐生・みどり両市のように、分割される市区町数は88から過去最多の105に増えるという▼2014年12月の衆院選を「違憲状態」とした最高裁判決を受け、「1票の格差」(小選挙区の人口格差)是正を最優先した応急措置。自治体を分割しないことを原則に見直し作業を進めるはずが、最終的には分割自治体を大幅に増やす皮肉な結果になってしまった▼その一方で、今回の見直し対象に群馬県は含まれていない。群馬2区(旧桐生市、みどり市笠懸・大間々両町)と同1区(桐生市新里・黒保根両町とみどり市東町)に、それぞれ選挙区が分割されている桐生・みどり両市。地域の一体性が損なわれるとの懸念から、区割り見直しを望む声は根強いが、改定に向けた具体的な動きは一向に見えてこない▼代わりに国会から聞こえてくるのは、相次ぐ閣僚の失言や政務官の女性問題…。「平成の大合併から10年以上たつにもかかわらず、国はいまだに選挙区一つ一緒にする気がない」。そう嘆く両市民の声は届いているのだろうか。(針)
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