マッチという愛称で呼ぶのは、樹徳高校時代の古い友人たち。命名の由来は、ジャニーズ事務所の近藤真彦さんでも、プロ野球ソフトバンクの松田宣浩選手でもない。「マッチ棒みたいにヒョロヒョロだったから」と笑う▼パナソニック所属でラグビー日本代表のロック谷田部(旧姓渡邉)洸太郎選手(30)。190センチ・107キロの現在の体格からマッチ棒を連想するのは難しいが、樹徳高校時代の体重は70キロ台だったと記憶している▼国士舘大を経てパナ入部も、5年間は公式戦出場なし。苦手だったタックル克服のため、控えの間も懸命に鍛錬を積む。27歳のシーズン開幕戦に初出場を果たすと、それ以降の全試合に出場してベストタックル賞を受賞。主力の座をつかんだ▼29歳で初めて日本代表入りし、30歳で南半球最高峰リーグ・スーパーラグビーに初出場。代表戦出場数もいつしか11試合にまで増え、メンバー入りした今週末の香港戦も含め、まだまだ伸びそうだ▼2年後に控える2019年ラグビーW杯日本大会の組み合わせが昨夜決まった。谷田部選手は大会時点で33歳。マッチ棒のようだった少年が、世界で最も体を張る舞台に立つ。遅咲きの花は大輪になるという言葉を信じたい。(針)
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