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「親子ドア」日本一、広沢町の鍋谷由紀一さん

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 全国の建具職人が腕を競う第51回全国建具展示会(全国建具組合連合会など主催)で、桐生市広沢町間ノ島の鍋谷由紀一さん(47)が第3部(ドア部門)の最高賞となる国土交通大臣賞に輝いた。無数の細かい木材で美しい模様を描く組子細工に匠(たくみ)の技を見せた鍋谷さん。「悪いところがない」と自画自賛する会心の出来栄えで、7回目の出品で4回目の入賞にしてついに部門別の頂点に立った。

 各都道府県で毎年持ち回り開催される同展示会。今年は16~18日に石川県金沢市で開かれ、全4部門の計145点から72点が入賞した。第1部(工芸品)の1位が全体の最高賞である総理大臣賞、第2部(実用品)の1位が経済産業大臣賞、第3部(ドア)の1位が国交大臣賞となる。第4部は1~3部以外。

 鍋谷さんは今展では、高さ2・3メートル、幅1・2メートルの「親子ドア」を出品。南洋材のニヤトーで外枠、カリンで腰板を作り、高級感あふれるつややかな褐色のドアに仕上げた。

 目を見張るのはガラス内の組子細工。無数のヒノキの部材を「三ツ組手(みつくで)」と呼ばれる伝統技法で組み込み、「重ね竜胆(りんどう)」と「角麻(つのあさ)」の模様を描いた。離れると円と亀甲が連続しているように見え、まさに芸術品だ。

 2015年2月の第28回技能グランプリ(厚労省など主催)では内閣総理大臣賞に輝いたこともある実力者。「全国から素晴らしい作品が集まる中、大臣賞をもらえるとは思わなかった」と今回は控えめながら、「自信になるし、もっといい仕事をしなければという気持ちになる」と高評価を喜ぶ。

 上代は48万円と設定。「もし売るなら、本物の良さを分かってくれる身近な人に愛用してほしい」。来年の同展示会は埼玉開催。「近いので、次は第1部に挑戦してみたい」と意欲的だ。
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