最先端のドボジョ(土木系女子)で、トルコのボスポラス海峡横断鉄道工事の現場を経験した高原郁恵さん(33)は群大工学部卒。「地図に残る仕事ができる」と大手ゼネコンに入社、当初現場で施工管理をする女性は14人しかいなかったが、10年で10倍に増えたという▼アジアとヨーロッパをつなぐ150年来の夢のプロジェクト、最大深度60メートルの沈埋トンネルという世界初の仕事で、部下は男たち。女性としても開拓者たろうという強い自負。イスラム圏でも技術を持っていれば性別は関係なく、女性エンジニアが活躍していたそうだ▼既婚で夫を一番の味方として海外赴任。1年で帰国後は主任になるまで先送りしていた妊娠出産、子育て、さらには大学院生として経営学を勉強中と超パワフル。老舗の大企業ゆえ制度は整っているが、やはり本当に働きやすい風土に改善していくのは女性たち自身のようだ▼群大では北関東の女子校をネットワーク化したリケジョ支援が始まった。進学校が女子校という特異な地域ゆえ、興味を摘まず理工系への進路もありと強調しなければならない。選択肢は多いほうがいい。ガラスの天井も突き破っていく可能性があると、文系の頭で思う。(流)
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