突然の連絡で虫を見に行った。予定外だったから野外活動に向かない服装で、半袖な上に足首も露出。案の定、蚊にくるぶしをしこたま刺された。かゆいのなんのって▼一日の中で趣の違う取材が何本かあると、必然的に優先順位をつけ、それに合わせた服装をすることになってしまう。いつでも「野外観察できる服装」は結構難しい▼そもそも人が場によって服装を変える理由は「常識の縛り」だけではなくて、自分の立ち位置を明確にするためでもある。例えば、身なりを場に溶け込ませ「自分は壁紙と同じですよーこの空間で目立ちたくないですよー」という宣言。記者の仕事でいえば、主役は取材を受ける人と場であり、部外者であるこちらが目立つのはご法度。取材を受けるほうも気になってしまうだろう。だから自分の好みよりも場の状況を優先する。その結果が「常識」の範囲内に収束するだけのことだ▼野外観察兼取材も同じで、対象の虫や動物、植物が主役であり、先方と摩擦を起こさない服装が基本。足首を蚊に刺されてかゆい思いをしたのは虫に対して気遣いが足りなかった自業自得の結果である。そんなわけで、これからはスニーカーと一緒に靴下も常備しておくことにした。(並)
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