人気歌舞伎役者、中村勘九郎さん、中村七之助さん兄弟が11月、ながめ余興場(みどり市大間々町)に初来演する。全国芝居小屋錦秋特別公演2017で、昔ながらの芝居見物気分が味わえる8カ所を巡回、その千秋楽が、ながめ余興場だ。「はじめまして、です。楽しみにしています」と兄弟。ながめ実行委員会(小屋雅義委員長)では8月8日から余興場専用窓口でチケットを発売する。
錦秋特別公演は「自分たちが全国各地に足を運び、たくさんの人たちに歌舞伎を見てもらおう」と2005年から中村屋一門が毎年行っている。今年は全国に現存する江戸後期から昭和初期にかけて築かれた「芝居小屋」8カ所を巡回。岐阜3カ所と香川、愛媛、熊本、福岡、そして群馬で、それぞれ地域の人たちに守られてきた、魅力的な建物だ。
ながめ余興場は昭和12(1937)年竣工でちょうど80年になる。ほかの7カ所は2006年に18代中村勘三郎が巡業で襲名公演を行った劇場で、製作発表では勘九郎・七之助兄弟が「あまりの暑さにお客さまがあおいでくださったとか、おひねりが頭に当たって本当に痛かったそうです」などと、舞台と客席が一体になる小屋ならではの父の思い出話も披露した。
今回の演目は、まず勘九郎・七之助による「歌舞伎塾」。普段は見ることのできない舞台裏を、兄弟が楽しく紹介する。「棒しばり」は大名(小三郎)の留守中にいつも酒を盗み飲んでいる太郎冠者(鶴松)と次郎冠者(勘九郎)。大名は2人を棒や後ろ手に縛って安心して出掛けるが、2人は何とかして酒を飲もうと大奮闘…。「藤娘」は七之助が藤の花に戯れながら、ときにかれんに、ときにしっとりと恋心を踊る。
ながめ公演は11月25日午後0時半から昼の部、午後4時半から夜の部、26日午前11時から昼の部の3回で、約2時間。木戸銭は各回とも1階S席1万円、2階A席8000円で、限定550席(全席指定)、未就学児の入場不可。チケットは余興場専用窓口で8月8日午前9時から発売、問い合わせは余興場(電0277・72・1968)へ。
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