会社に出勤すると、社内にある固定電話の時計の多くに狂いが生じていた。どれもぴったり1時間、前に進んでいる。さては太陽フレアのせいなのかと勘ぐったのだが、その原因を特定するとなると、これはなかなか難しい▼例えば、同じような現象が会社に限らず、ほかの施設や家庭でも発生しているとなれば、もしかしたら共通した原因があるのかもしれず、太陽フレアもその一因として考えられるのだろうが、自分のところだけでは心もとない。そう思って周囲はどんな状況なのかといろいろ問い合わせてみたのだが、「やっぱりそうか」とはならず、もやもやが残った▼「言われてみると、10分ほど時計の時刻がずれていますね」。ある施設ではそんな証言にも出合ったのだが、電話の時計の時刻など日ごろ気にしているわけではないので、さて、いつずれたものなのか、なかなか分からない。昨日からかもしれないし、もっと前からかもしれないしと、ぼんやりとしている▼なにか事が起これば都合のいいように解釈し、何かのせいにしたくなる。気持ちは分かるが、単純な因果関係など社会の中には多くない。分かりにくいものは分からないままに受け止める。大事なことかもしれない。(け)
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