桐生市近隣のものづくりにかかわる若手経営者が白装束に身を包み、鍛冶(かじ)の技を披露する恒例行事「鞴祭(ふいごまつり)」が18日午後1時から、同市天神町一丁目の桐生天満宮で行われる。昔ながらの道具「鞴」でおこした火で鉄を鍛えて加工する同行事も今年で10回目。鮮やかな手さばきで節目を飾ろうと、若手経営者らは事前練習に励みつつ、大勢の市民の来場を呼び掛けている。
主催するのは桐生広域の工業関係の若手経営者でつくる「わたらせ工業青年会」(中島丈晴会長、49人)。1974年結成の桐生機械金属工業協同組合青年部が前身で、組合解散に伴い99年に同青年会として再出発した。
鞴祭は同青年会10周年記念の2008年、旧組合の伝統行事を復活させて以来、毎年この時期に桐生天満宮で行っており、桐生の晩秋を彩る風物詩として定着しつつある。
「鍛錬の儀」と呼ばれる儀式は、昔ながらの鍛冶の技を再現。風を送る箱「鞴」で炉の火力を上げ、真っ赤に焼いた鉄棒を金づちでたたき、直径10㌢ほどの輪に加工する。
今年は統括責任者の「奉行」を大西健太郎さん(大西ライト工業所)、現場監督の「横座」を下山晃正さん(下山製作所)、「鞴」を坂入幹崇さん(桐パック)、つちを振るう「先手」を新井慎吾さん(新井工業)と中澤宏之さん(中沢精工)がそれぞれ務める。
みどり市内のOB会員の工場敷地を借り、桐生市在住の刀匠・工藤将成さんの指導で、10月中旬から事前練習を重ねてきた。現場を束ねる横座の下山さんは「10回の節目にふさわしいものにしたい」と意気込んでいる。
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