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チバニアン

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 地球の内部には“でっかい磁石”があって、その磁場が地球全体を覆っている。磁場や大気があるおかげで、宇宙から到来する有害な宇宙線が弱められ、私たちの暮らしも成り立っているのだと、これは学校の授業で習ったこと。方位磁針のN極が北を、S極が南を指すのは、地球磁石のS極、N極とそれぞれ引かれ合うから▼長い歴史の中で、この磁場はときどき反転してきたらしい。少なくとも、この360万年の間に11回、N極とS極は入れ替わった。岩石の成分を調べると、それができた当時の磁場が分かる。いわば磁場の化石か。地質学の中には、これを調べる「古地磁気学」なる学問分野も立派に存在している▼ラテン語の「チバニアン」とは、日本語で「千葉時代」のことで、77万年前から12万6000年前の、中期更新世を指す。地球磁場が最後に逆転した痕跡が、千葉県市原市の地層の中にはっきりと残されている。だから、この地層を一つの指標と定め、それに該当する地質時代をチバニアンと命名しようというわけだ▼まだ1次審査で、正式決定は来年とのこと。興味深い話なのだが、磁場の反転が起こると、私たちの暮らしにどんな影響が及ぶのだろう。そちらの方がもっと知りたい。(
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