根本山瑞雲倶楽部が好日、丁石探訪ツアーを実施した。今回は有鄰館から梅田ふるさとセンターまで、色とりどりの防寒着に身を包んだ一行が約12キロを歩き通した。まずは桐生市本町二丁目の路地に入り、起点とされる石宮へ。「是より道法五里兀丁」と刻まれている▼根本山神社まで1丁109メートルごとに「丁石」が置かれていたとすると、200基あった計算になる。だれが発案していつどのように石に刻み並べたのか。桐生新町を抜けて旧道を通り、桐生川根本沢をさかのぼる参詣路には道標や灯籠、神名塔などの石造物も残る▼瑞雲倶楽部の解説によると、高野山金剛峰寺の表参道はふもとの慈尊院から5里で180丁、こちらに置かれるのは「町石」で、巡礼者は仏の宿る石を拝みながら登ったとされる。長方形の丁石と違って五輪卒塔婆形の高い石柱で、いまも150柱が残るという▼「高野参詣道」は国史跡でありユネスコ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部でもある。こちらは文化財指定にはまだ遠いようだが、瑞雲倶楽部の活動ぶりは目覚ましい。登山道整備はもちろん石造物の発掘も相次ぐ▼桐生新町のにぎわいと密接だった信仰の道。その復活を願う。(流)
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