久しぶりに成人式の取材を担当した。色とりどりの振り袖をまとった女の子がこれだけ集まると華やか。普段着の自分も浮き立つような気持ちになる▼数年前より着物姿の男の子も増えた気がしたが「もっと多いと思っていた」と少し恥ずかしそうな当人たち。羽織が左右違う色の派手な装いの子から、帽子やマフラーなどの小物もおしゃれな子、祖父の着物を着たという粋な感じの子も。「織物の街」としては他都市と差別化を図るべく、“着物男子”を増やす対策があってもいいのではないか▼昨年、公職選挙法の一部が改正され、選挙権年齢が１８歳に引き下げられた。「税金を使ってやるものか」という「成人式不要論」が毎年出るが、その傾向はより強まるかもしれない▼ただ、式を取材することで、今年成人式を迎えた若者たちは中学校の卒業式の日、東日本大震災を経験した世代と気づいた。少子化、核家族化が進み、ほかの世代との交流が希薄な時代。自分の来し方を振り返り、この国の行く末を思う、そんな日が１日くらいあってもいいのではないか▼そのためには市民との接点を設ける形で、もっとこの行事を生かしてほしい。本町六丁目商店街など面白い取り組みに期待している。（野）
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