新しい流れをつくり出すきっかけになるのではないか。そんな期待を抱きたくなる動きだ。有鄰館付近の桐生新町重要伝統的建造物群保存地区内に、地場のものづくり事業所が相次ぎ進出予定であることを12日付の本紙で取り上げた▼進出する3事業所は活版印刷、帽子製造、繊維ベンチャーと個性が際立つ。いずれも重伝建地区に出ることを意識し、ものづくりの様子やでき上がった品を見せられる形を取る。まち歩きに訪れる人にとっての楽しみが増えるし、何より地域の魅力が高まるのに直結する▼このエリアに拠点を構えたいと希望する人はほかにもまだいるようで、今回の動きが先駆けになり、高感度のものづくりをする企業や作家の集結につながれば、まち全体にとってもきっと大きな力になるだろう。3件とも桐生市の補助金をすでに活用または予定しており、行政も後押しになっている▼一般的に、美術館や博物館、公園といった文化的な施設が整備されると、その周りにおしゃれな店などが集まってくる。同様の好循環で、重伝建地区への集積が少しずつ周辺に波及し、桐生のまち自体のイメージアップと活性化につながるなら願ったり叶ったりだし、ぜひそうなってほしい。(悠)
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好循環の端緒
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