大雪の翌日、気持ちのよい青空が広がった。1年で最も寒さの厳しい時期なのだが、太陽から届く光のエネルギーは強烈で、日の当たる範囲の雪をあらかた溶かしてくれた。積もった雪が解けてゆく光景は、やがて訪れる春を想起させる。寒さでかたまった気分もほぐれる▼ひとが行う除雪は基本、雪を移動させる作業であり、同じ量を溶かすとなれば、大変な仕事量となる。降り注ぐ太陽エネルギーをできる限り活用しようと、人は昔からさまざまな仕組みを編み出してきた。最近では、太陽光から電気を生み出す発電システムの普及が進み、徐々に広がりをみせている▼もっとも、太陽エネルギーは薄く広く遍在しているので、瞬時に大容量の電気を必要とする今の私たちの暮らし方とは相いれない。原子力発電のような発電システムをあきらめきれない理由の一つでもある。ただ、そこにはすでに限界が見えており、いつまでもすがりつくわけにはいかない▼私たちの暮らしを陽光の側に合わせるのが、たぶん本筋なのだろう。風や水、地熱とのつきあい方を考えてみても、使用するエネルギーのピークを低くする作業にこそ、可能性は広がっているはずだと、雪どけの景色に思った。(け)
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