「震災から７年たって、いま私たちがうれしいのはお金や物資の支援ではなく、東北に来てくれることなんです」。先週、宮城県塩竃市の渡邉雄仁さんと電話で話した。チャリティーイベントを通じて被災地を盛り上げる活動を続けている人だ▼渡邉さんらが運営している、仙台国際空港での復興支援イベント「エアポートよさこいｉｎ仙台空港」が２１日に開かれる。被災地のダンスチームに交じり、みどり市のよさこいチーム「千紫万紅」が出演することになった。千紫万紅の遠藤佳世子代表と渡邉さんとの縁で、関東のチームでは唯一の出演となる▼電話取材を通じ、渡邉さんが繰り返した言葉がある。「東北を見捨てないで」。記憶の風化が叫ばれる中、被災地の人たちには、忘れられてしまうことへの不安がある。そんな中、遠藤さんたちは震災直後から被災地への支援を続け、今回の出演依頼となった▼記者が昨年８月に訪れた岩沼市の南浜中央病院には、泥かきボランティアで病院再開を後押しした桐生の高校生らの写真が飾られていた。千紫万紅をはじめ、いまも被災地と交流を続けている桐生、みどり両市の人は少なくない。そんな人たちのことを、被災地の人たちは忘れない。（成）
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