児童虐待が社会問題化する中、みどり市は10月から、虐待防止の対策として「怒鳴らない子育て」を教える保護者向けの講座を開設した。米国で開発された教育プログラムを基に、親が感情的にならず、「ほめる」「説明する」を基本に子どもと接する方法を教える。桐生市でも保育士らを対象に独自の指導者養成講座を計画しており、親子の関係を良くするノウハウの普及に取り組む考えだ。
同講座は、米国の児童福祉施設で開発されたCSP(コモンセンス・ペアレンティング)という手法を基にしたもので、日本では5年ほど前から導入する自治体が増えている。
みどり市では昨年、こども課の家庭児童相談室の高木菊江室長が、NPO法人子ども家庭サポートセンターちば(通称オレンジの会)の講座を受けトレーナー資格を取得。市内の保育士らを対象にした学習会をへて、今年度は親向けの講座(全6回)を開設した。
しつけを「怒鳴る」「たたく」といった方法でなく、「効果的にほめる」「具体的に説明する」を基本に、望ましい行動を子どもに教える方法を講義やロールプレイ(役割演技)を通じて親に教える。
おもちゃを買ってほしいと駄々をこねる子に対し、「ちゃんとしなさい」とあいまいな言葉でしかるのでなく、買い物に行く前に「きょうは買わないよ」と約束したり、「1個だけ買うから、次は我慢しようね」と伝えるなど、具体的に指示することで、どう行動すればいいかを子ども自身に気付かせるのがポイントだ。
同市では、1回で要点がつかめる講座の開設も検討中。高木室長は「受講してもらうことで、子育てに悩む保護者の支援になれば」と話す。
県は今年度、市町村職員向けの指導者養成講座を開設。桐生市でも来年1月に保育士や児童委員ら向けの講座を独自に開き、普及を進める考えだ。
同講座や、児童虐待に関する問い合わせは、みどり市子育て応援ダイヤル(電0277・76・2114)、桐生市子育て支援課(電0277・46・1111)へ。
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