「自分がいなければ仕事が回らない」というのは、自分の仕事への責任と自信を持つためにも必要な意識だとは思う。ただそれは、あくまで自分の意識の中だけの問題。個人経営の店ならまだしも、会社組織で現実に、１人いないだけで仕事が回らないようなら、よっぽど脆弱な会社である▼ではあるのだが、「自分がいなければ…」という責任と自信は、いつの間にか、過信、慢心、そして増長へと変質してしまうことがある。ともすれば「おれが、おれこそが現実にこの仕事を回しているんだ」と思い上がり、いろいろなものを抱え込む▼インフルで高熱を出して倒れ、１週間近く。その間、もちろん新聞は日々、とどこおりなく発行されていた。当たり前ではあるのだが、何か不思議な感じ。ああそうか、これこそが思い上がりなのだなと恥ずかしくなった▼新聞を自分が出す、ではなく、新聞を読者に届けるために自分は何ができるのか。もし自分がいなくなったとしても、同じように考える他の記者たちは、新聞を発行するために対応する。そんな現実を見ていなかったのだな▼女に限らず、人は弱きもの。支えられてようやく生きている。抱えこまず、思い上がらず。心に留めおこう。（篤）
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