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坂本久美子さん優秀賞、農山漁村女性・シニア活動表彰

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 さかもと園芸(桐生市黒保根町)の坂本久美子さん(66)が、2015年度農山漁村女性・シニア活動表彰の女性起業・経営参画部門で優秀賞(経営局長賞)を受賞した。夫・正次さん(66)とともに園芸農業に新規参入して以来、二人三脚で歩んできた道のりに、「いいこともつらいことも経験できた。長く続けてきたからこそ、笑って振り返ることができる」とほほ笑んだ。

 同賞は、農山漁村の活性化に優れた活動の実績をもち、男女共同参画推進のために積極的に活動している経験豊富な女性に贈られるもの。農山漁村男女共同参画推進協議会の主催。

 埼玉県出身の坂本さん夫婦は結婚と同時に黒保根町に転居し、シクラメンとアジサイのオリジナル品種を中心とした鉢花生産と育種事業を展開。アジサイ「ミセスクミコ」は1992年の国際園芸博覧会「フロリアード」で金賞を受賞した。

 夫を「昔ながらの職人かたぎ」という久美子さんは、社交的で朗らかな印象。正反対な部分もあるが、正次さんが育種、久美子さんが経営を担うなど、互いを補い支え合い、「『さかもと園芸はどちらかが欠けたら成り立たない』と昔から言われてきた」。

 全く知らない土地でゼロから取り組んだ園芸農業。冬の空っ風にハウスが飛ばされて受けた大打撃。苦しいときに助けてくれた仲間の存在。経営が軌道に乗り、誇りに思えるオリジナル品種が生まれたこと。さまざまな苦難と喜びを、二人三脚で歩んできた。

 08年に正次さんが病に倒れた際、久美子さんは自ら先頭に立ち、市場や種苗会社、銀行、資材店など取引先とのやりとりに奔走。正次さんに相談もできない状況に、改めて「夫の存在の大きさを感じた」。

 数年間は笑うこともできず、「ずっと一緒にやってきたから、本当に残念だった」と肩を落とす久美子さんだが、後継ぎである娘夫婦が成長し、経営状態が落ち着いてきたころから笑顔を取り戻した。今は2代目の成長を楽しみに見守り、支えていく。
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