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元東洋大教授の平野さん、梅田の空き家でカフェ開業

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 東京圏で生まれ長く仕事をしてきた元大学教授が30日、桐生市梅田町 四丁目で起業し、空き家を再生して自宅兼カフェを開いた。豊かな自然や 住環境にほれ込んだのに加え、ここで地方都市の新たな可能性を模索した いと考えての一大決心。地域の人たちと交流しつつ、“よそ者”ならでは の視点で地域社会に一石を投じ、「桐生に化学変化を起こす触媒になれた ら」と語る。

 起業したのは、元東洋大生命科学部教授の平野和弘さん(60)=千葉県木更津市出身。

 東京大卒で専門は教育学。法政大、慶応大などで非常勤講師を務めた後、2002年から高崎健康福祉大、08年から東洋大の教授となり、学生たちと途上国支援のフェアトレードを軸とする地域活動に取り組んできた。

 健大赴任を機に群馬へ移り、そのころから「桐生は一番気になるまちだった」。人口減や高齢化を背景に「地方消滅」「地方創生」が叫ばれる中、65歳の定年を前に、自ら地方に身を置いて地方の問題を考えようと、“第二の人生”の舞台に桐生を選んだ。

 梅田清流広場に近い県道沿いで、ハーブ製品販売「生活の木」(本社東京)が約2年前まで使っていた築35年の空き家と600坪近い敷地を購入。合同会社「BYWカンパニー」を設立した。会社名は、地域を活気づける3要素としてよく言われる「ばか者」「よそ者」「若者」の頭文字だ。

 会社の定款には、カフェの経営に加え、空き家の再生・活用やコミュニティービジネスの普及促進などの事業を列挙。空き家を低コストで若者に提供し、起業を促す事業なども想定している。

 「桐生は交通が不便な分、東京から距離を置いた独自の文化が育つ可能性がある」と平野さん。個性を失った地方都市が多い中、生活の質を追求する人が住みたくなるまちへの可能性を探りたい。そのためにも、自ら呼び水になって“よそ者”や“若者”を引き入れたい考えだ。

 カフェの名は「そしお」。社会や組織を意味する言葉で、「人のつながりを生む場所にしたい」との願いを込めた。フェアトレードで入手する東ティモールのコーヒーを出す。コーヒーアドバイザー金澤政幸さん(51)=木更津市=が考案した「かなざわ式」でいれる県内1号店でもある。

 カフェの営業は午前11時から午後5時まで。火曜定休。30日~5月2日の3日間はオープン記念でコーヒーと菓子を500円で提供する。5月4日から通常営業し、ランチ時はネパールとスリランカのカレーを出す。

 問い合わせは同店(桐生市梅田町四丁目357、電080・1194・8312)へ。
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