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駐車場の区画を考える

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 高齢ドライバーが駐車場で起こす事故が増えているという。

 多くの商業施設にとって高齢者は大事な購買層であり、医療施設にも大勢の年配者がやってくる。いまの駐車場の区画はその状況に対応できているだろうかと、もう一度確かめて、改善点が見えたら、さっそく処置を講じてほしいと願うのである。

 バックで出てきた車が入ってきた車とぶつかったり、あるいは、後部座席に乗せていた子や孫が勢いよく開けたドアで隣の車を傷つけてしまったりと、大小さまざまな施設の駐車場で何らかの接触トラブルに巻き込まれた人は少なくないはずだ。

 ぶつけられてもぶつけても事故とはいやなものである。

 いろんな体験を教訓に、駐車場所は周りに車がないところを選び、バックをせずに出られる態勢をとり、ドアをあおられない風向きを考えて置く人も。

 防衛策は人それぞれだが、買い物は目的地の近くに止めたくなるのが人情だから、結果的に混雑に偏りが出て、事故はたいていそこで起きている。

 限られたスペースの中で1台分の駐車にゆとりをもたせることは収容台数の減少につながってしまうため、なかなか決断しにくいことは想像に難くない。

 ただ、桐生市内を見渡してみると、ひと昔前に比べ、1台の駐車スペースを広く取っている施設は増えた。ラインを2重にし、ゆとりをもって車を止められるようにした場所も多くなって、施設側がいろいろ考えているのも事実。高齢ドライバーの増加という社会的変化を的確にとらえた工夫は互いのためである。こうした流れをさらに進めていけないかと考えるのだ。

 利用者にとって使いやすい駐車場はどのような形が理想なのか。広い施設なら、出入りの車路の幅が十分に確保され、かつ分かりやすく線引きされているかどうかが大事である。それぞれの環境に応じ、狭すぎず広すぎない1台分のスペースを見いだしていく目を持つ。急速な高齢化が進む現代だからこそ、そこに柔軟さが必要だと思われる。

 むろん運転である以上、安全のためにドライバーが周囲に細心の注意を払わなければならないのはすべてにおいて前提だ。

 保険代理店の関係者の話によれば、駐車場内の事故の多くが昨今は公道に準じる形で道交法で処理されており、事故が起きたら警察に連絡することはぜひ徹底してほしいそうである。
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