全国の地方自治体が生き残りをかけて、人口減克服のアイデアを競うコンペだ―。そう分かりやすく表現する人もいる▼地方創生という看板を掲げる政府が、全国の地方自治体に年度内の策定を求めている「地方版総合戦略」。その策定作業が桐生・みどり両市で本格化している▼出生率や転出・転入を見極めて将来の目標人口を決め、それを実現するための地域独自の具体策を練り上げる。先駆的取り組みを後押しする来年度創設の新型交付金をめぐり、コンペの参加準備がいま日本中の地方自治体で進んでいるというわけだ▼桐生市が総合戦略策定に向けて20日夜に開いた有識者会議「市総合戦略推進委員会」。市がたたき台として示した原案は独自色が薄いとして、桐生らしさを前面に出した目標や施策に絞り込むべきとの意見が続出。次回会合までに各委員が具体策を提案して意見集約することになった▼コンペに例えるならば、地域の独自性を前面に出さなければ評価は得られない。人口減や高齢化に苦しんでいる桐生市にとって、生き残る道を探る最後のチャンスかもしれない―。活発な発言を繰り広げる各委員の表情から、そんな危機感と使命感をひしひしと感じた。(針)
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危機感と使命感
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