広く愛されるキャラクターを桐生織で表現し、国内外に発信する取り組みがスタートする。桐生市インキュベーションオフィスに入居する繊維製品販売業の「i4」(アイフォー、石橋進代表)が「かわいい」をコンセプトに掲げた独自ブランドを立ち上げ、和装の技術を中心に活用し商品化する。第1弾としてサンリオの「ハローキティ」を織り柄であしらった着物や帯、雑貨を開発中。新たな着眼点で伝統を生かし、産地活性化にもつなげたい考えだ。
石橋さんは昨年4月に起業。ウェブサイトを通じた繊維製品の受注販売を本業とし、順調に業績を伸ばしている。桐生織物協同組合に長年勤務した経歴から産地振興にも関心を寄せ、和装織物業の有志らと立ち上げた桐生商工会議所のプロジェクトを主導。国内外で支持されるコンテンツの活用法と可能性を昨年来、模索してきた。
キャラクターと桐生織を融合させたものづくりを基軸に据えた新ブランドは「mon・e(モンエ)」。桐生織物の特徴である紋織物の「紋」と2次元のキャラクターを示す「絵」を組み合わせた造語だ。30歳前後の女性を主な顧客層に定めた。
ハローキティを織りで表現した着物と帯、小物を泉織物に、ショールはアルファテックスにそれぞれ依頼し製作中。専用ウェブサイトを立ち上げ、来春をめどに販売を始める予定だ。
「桐生伝統のジャカード織りの技術だからこその雰囲気を生かし、すべての基準を『かわいい』に置いて『mon・e』の世界観で演出し表現する」と石橋代表。「ほかのコンテンツとのコラボレーションも進めたい」と意欲をみせている。
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