先日、取材先に向かう途中に保育園の正門の前を通りがかった。近隣住人であろう年配の女性と園児が正門越しに何やら話をしていて、和やかな雰囲気。ぞろぞろ集まってくる園児たちはみんな笑顔で、その女性と日常的につながっているのだと知れて、ほっこりした▼福祉施設などに取材に行くと、最近はほとんどが「地域に開かれた場所に」を目指している。なかなか一筋縄ではいかなくて、特に7月に起きた神奈川県相模原市の障害者施設殺傷事件の後は安全対策強化とのバランスに苦慮していた▼「地域の人に気軽に出入りしてもらうことは、利用者が社会とつながる手段。また地域の人たちに障害への理解を深めてもらう機会にもなる」。そう話していたのは市内の障害者福祉施設。だからこそ、「相模原の事件で『地域に向かって開いていこう』という動きが鈍らなければいいが」と懸念していた▼「地域に開かれた施設」。文字で書くのは簡単だけれど、関係者たちはそれこそ細心の注意を払ってさまざまに取り組んでいる。そこには問題や困難も多いけれど、きっと大丈夫。子どもたちと地域の人が何気なく笑顔であいさつを交わす風景を思い出すと、そう思えるのだ。(並)
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きっと大丈夫
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