遅い遅い夏休み、青森の名所を巡るバスツアーに参加した。青森を訪れるのは十数年ぶり2回目。再訪となった三内丸山遺跡ではいまだ発掘調査が続いていた▼高校時代、修学旅行前には「旅行ノート」を提出するのが決まり。当時は小説の影響で密教にはまっていて、食べ物や土産物はそっちのけで、曼荼羅や仏像、寺の伽藍などをやけに詳しく調べた▼ツアーと油断し下調べせずに臨んだ今回の旅。旅券や宿泊場所の心配はなく、奥入瀬渓流やねぶたの家ワ・ラッセ、太宰治記念館「斜陽館」など、主要な訪問地ではきちんとガイドがつく。ひとり旅では気後れし、あまり頼めないサービスだ▼ただ自由時間では一気に不慣れな旅人に。青森市内では出発時間が迫る中、道端に並ぶ店に飛び込んでリンゴを買い、名物ののっけ丼をかきこむことに。どちらもおいしかったので問題はないが、予習は大切と実感。予習しすぎるのも時に問題だが、行かなければ出会えない感動はあるのだから▼奥入瀬渓流では紅葉の見ごろは終わっていたが、赤や黄色の落ち葉と緑のコケとシダ、数日前に降った雪が残り、いまだけの美しい風景が広がっていた。記憶が薄れぬうちに復習だけはしておこう。(野)
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予習と復習
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