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アップサイクル

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 繊維の分野で、リサイクルや単なる再利用を超えて付加価値の高いものづくりへと昇華するアップサイクルが大きな潮流になっていると、桐生産地で10月まで実地研修に臨んだロンドン芸術大学の大学院修了生を通じて実感した▼桐生市役所での紹介で、彼らの多くがこの分野を専門とし、作品を発表していると説明された。環境への意識の高まりを背景に、廃棄される運命にあったものを再生して新たな形で生かすことは最先端の取り組みで、付加価値として認められているわけだ▼地元染色整理業の土田産業が、工程で発生する裁断端材を手芸用糸に再生して商品化し、ブランド化を図った。同社にとって再活用は長年の課題だったが、欧州で同じように出る端材が糸としてもてはやされ、人気が日本にも及んでいるのに着目した▼担当者は、商品によって定価の数倍で取引されるのをみて「燃料費をかけて輸入し高額で購入するのはエコなのか」と思ったそうだ。その疑問はもっともだし、選択肢として国産品を提案できたのも、繊維が産業として息づく桐生ならでは▼糸へん産業は宿命的にロスの多い業界とされる。発想の転換で新しい商品が生まれる余地がまだまだあるかもしれない。(
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