手機ならではの自由な織りと絹の機能性を生かした新しいものづくりを進める高機(たかはた)(桐生市相生町一丁目、下山湧司代表)は、カイコが繭をつくるときに最初に吐き出す県産の「きびそ」をウコンで染め、湯に天然成分が溶け出す入浴剤を開発した。県繊維工業試験場と共同で製法の特許出願を済ませた。「黄金姫(こがねひめ)」の名称で本格展開を図る。
高機は、抗菌性や脱臭性など優れた機能を備える絹にほれ込み、20年前からものづくりを進めてきた下山さんが昨年設立。シルクの新しい用途開発を試行する中で、保湿効果など肌にいいとされる絹たんぱく質のセリシンが特に豊富に含まれるきびそに着目した。
セリシンは水に溶け出す性質がある。色付けを兼ね、抗酸化作用や美肌効果があるとされるウコンと組み合わせ、入浴剤としての活用を思いついた。
きびそをかせのままウコンで染める。湯船に投じたとき、湯温に最適な40~42度で効率よく溶け出す技術で特許出願したほか、商品名の「黄金姫」も商標出願した。
干して乾燥させることで繰り返し使える。かせのほか、ネットに入れたり、手機で織った形での商品化を予定。殺菌効果や香りのよさで浴用に使われるヒノキも県産材を加工して組み合わせ、売り込む。
東京都内で19日に開かれる展示商談会「ぐんま地場産業フェスタ2017」(県主催)で発表後、市販に移る。ウェブサイト(http://takahata―kiryu.com)でも販売する。
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