1人1日当たりのごみ排出量の多さが県内12市で1、2を争う桐生市。その最大の要因とされる「事業ごみ」(事業系一般廃棄物)の排出量が今年度、昨年11月末時点で前年同月比25・4%減と激減している。市清掃センターへの越境搬入や産業廃棄物混入を防ぐための抜き打ち検査の強化が主な要因。同3・2%減の「家庭ごみ」(生活系一般廃棄物)を含めた全体排出量も同10・8%減で、市関係者は“脱ワースト”へ手応えを感じている。
桐生市の1人1日当たりのごみ排出量は2014年度で1205グラム。県内12市中2位(13年度は同1位)の多さとなっている。
その内訳をみると、家庭ごみが同796グラムで県内12市中6位の多さなのに対し、事業ごみは同409グラムで同ワースト1位だ。
事業ごみは、地域のごみステーションに出せる家庭ごみとは別に、市内事業者やその依頼を受けた収集運搬許可業者が市清掃センターに持ち込む一般廃棄物で、同センターに搬入できない産業廃棄物は含まれない。
桐生市は事業ごみ削減策として昨年4月から、同センターへの事業ごみ搬入時に抜き打ちで搬入物を調べる「展開検査」を、それまでの1、2カ月に1回程度から、毎週実施に増やして体制を強化した。それにより、同センターに搬入可能な地域(桐生市、みどり市、伊勢崎市赤堀地区)以外からの越境搬入や、地域を問わず搬入できない産業廃棄物の混入をチェック。不適正排出を防ぐ取り組みに力を入れた。
これに伴い、桐生市の昨年4~11月の事業ごみ排出量は前年同期比2815トン減の8283トンに激減。家庭ごみ排出量も同670トン減の2万501トンに減り、合計でも同3484トン減の2万8785トンに減った。
同センターが昨年4~11月に実施した展開検査の対象車数は322台で、うち49・1%にあたる158台に不適正な点があった。内訳は産廃混入が80台、越境搬入が11台、地域混載が14台、分別不適が53台だった。
さらに桐生市は不適正なごみ搬入を未然に防ごうと2月1日から、同センターにごみを持ち込む際に提出する申請用紙の様式を変更。越境搬入を防止するため、新たに住所やごみ排出場所の記入を義務付ける。
同センターは「不適正な事業ごみ搬入を防ぐ取り組みが、市全体のごみ排出量の抑制につながる。(1人1日当たりのごみ排出量で県内市ワーストを争う)現状を改善できるよう最大限努力したい」としている。
関連記事: