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太田方式に疑問続出、東部水道企業団議会

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 みどり市など東毛3市5町の水道事業を統合した群馬東部水道企業団(企業長・清水聖義太田市長)の定例議会が8日、太田市役所で開かれ、みどり市議会選出の議員2人が一般質問を行った。昨年4月の統合に伴う水道管の施工基準やねじの規格の統一化をめぐり、“太田方式”での統一にみどり市内の業者や市民から疑問の声が出ているとして、「上意下達で一方的では」「水道法に抵触するのでは」などと問題提起した。

 群馬東部水道企業団は、みどり、太田、館林3市と大泉、邑楽、千代田、明和、板倉5町で昨年4月に設立した一部事務組合。8市町とも単独では10年以内に赤字転落が見込まれる水道事業を統合し、経営の維持・効率化をめざしている。

 問題提起されたのは、統合に伴う水道管の施工基準と、量水器に付属するねじの規格の統一化だ。

 みどり市では従来、本管から引き出す給水管を複数の家で分岐している場合、建て替える際もそのまま利用できたが、統合後の基準では、建て替え時には口径25ミリの給水管を新たに引き直さなければならなくなった。

 建て替える1軒が仮に100メートルの給水管を引き直す場合、同市によると約300万円の負担増になる。さらに、共同出資した給水管には財産権があるのに、建て替える1軒はこれを利用できなくなるほか、既設管の撤去を強要することにもなり、給水義務を定めた水道法に抵触するとの見方だ。

 質問した阿左美守みどり市議は「管路網が整備されている太田市と(未整備の)みどり市では差がある」として、引き直しを求めるなら補助金を出すなどして不公平感の解消に努めるべきとした。

 ねじの規格をめぐっては、2市5町で使っている「平行ねじ」と呼ばれるタイプから、太田市で使っている「金門ねじ」に統一することについて、荻野忠みどり市議が「水道業者から昨年6月に(統一見直しの)要望が出ており、太田市の上意下達で一方的に見える。早急に統一する必要があるのか」などと指摘した。

 企業団の渡辺恭宏事務局長は、建て替え時の引き直しについて「一般的に、建て替えは建物の老朽化によるもので、給水管も同時に老朽化している。漏水は企業団が修繕するが、原因の8割が老朽化。建て替え時に老朽管の更新をお願いし、年間2億3000万円に上る漏水修繕費の膨れ上がりを抑制し、水道料金の抑制に努めたい。組合工事店向けには順次説明しているはず」と述べた。

 ねじについては「統一が望ましいと考えている」とした上で、量水器の交換時期である8年周期で順次更新したいと答弁。「統合前の(8市町による)協議会の幹事会で2014年に方針を決定し、各市町がそれぞれ周知してきたものと理解している」と述べた。

 一般質問を行ったのはみどり市議2人のみで、他市町の議員からの質問はなかった。

 同企業団は7日付で、施工基準の見直し案を公表。建て替え時の引き直し要件を緩和する姿勢を示している。
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