いずれは人工知能(AI)が作曲をしたり小説を書いたりする日が来るだろうとは言われていたが、ひらめきや感性が必要な創作活動は人間にしかできないとも言われてきた。だが最近は作曲家や作家でAIを創作の補助として使う人もいるという話も聞くようになった▼囲碁界では、AIの「アルファ碁」が世界的なトップ棋士を破ったのが昨年の3月。この年末年始には改良版がインターネット上に登場しプロ棋士を相手に60連勝した。すさまじい強さと進化速度だ▼アルファ碁は、まず膨大な数の人間の棋譜を読み込んだ後、自己対局を何千万回も繰り返して自らを強化した。もし仮に、文章作成AIなるものがあるとして、このコラムを書かせたらどうだろう。膨大な良書を読み込ませ訓練させて、良識ある文章を作成させる。読者からは「機械が作ったコラムを載せるなんて」とお叱りを受けるかもしれないし、「機械の方が面白かったよ」なんて言われるかもしれない▼だが、人が真に見たいものは人間ドラマなのではないか。囲碁や将棋は修練を積んだ人間同士がぶつかり合うから感動するのだ。AIは道具として存在するうちはいいが、やがて人間の手を離れていきそうで不安だ。(里)
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