6年生が卒業記念に1年間かけてトイレを磨き上げる、みどり市立笠懸東小学校(武雅彦校長、全校児童数489人)の恒例行事「卒業記念スーパートイレ掃除」が14日、10周年の節目を迎えた。今年度の6年生77人は指導役を務める“トイレ掃除の達人たち”と一緒に最後の掃除を終えた後、10年にわたり指導を続ける達人たちに恩返ししようと、心を込めて合唱曲「変わらないもの」を歌い上げ、合奏や寸劇なども披露して感謝の思いを伝えた。
6年間お世話になったトイレをきれいにして後輩たちに引き継ごうと、2007年度から続く同校伝統のスーパートイレ掃除。6年生が長期休暇を除く毎月、通常のトイレ掃除とは別の時間を設けて行っている。
開始当初から指導役を務めるのが、みどり市大間々町で公衆トイレ掃除を続けるボランティア団体「郷土を美しくする会」(松崎靖会長)。見えない場所の汚れに気づくための素手での便器磨きなどに取り組んできた。
6年生たちは掃除終了後、一緒に掃除した同会メンバー10人を音楽室に招いて「感謝の会」を開催。落語の「寿限無」や「因幡の白うさぎ」「徒然草」「平家物語」など多彩な古典の朗読や寸劇を披露した。
さらに全員で高校野球の応援歌でおなじみのラテン音楽「エル・クンバン・チェロ」を鍵盤ハーモニカで合奏。最後に合唱曲「変わらないもの」を心を込めて歌い上げ、10年分の感謝の思いを形にした。
6年生を代表して遠藤直輝さん、津久井智也さん、常見空さん、中村茉白さんが感想を発表。「最初は便器に手を突っ込むのが嫌だった」「でも続けるうちに、きれいにする喜びと達成感を感じるようになった」「指導してくれてありがとう」などと語った。
同会の松崎会長はあいさつで「10年目の心のこもった贈り物に胸が熱くなった。みんなには人を感動させる力がある。トイレ掃除も発表も一生懸命やってくれた。とってもうれしかった」と涙ぐみながら話した。
関連記事: