みどり市が人口減対策の目玉として、4月から学校給食の無料化に踏み切る。年間2億円強を投じ、市内の小中学校の児童生徒約4300人の給食を所得制限なしで完全無料にするもので、アレルギーで給食をとらない子にも食材費相当を補助する。子育て世帯の負担軽減を図るとともに「食育」という側面も持たせるという▼県内では上野村や嬬恋村などで実施済み、12市では渋川市も新年度から実施の方針。桐生市は第3子以降の給食費を補助している▼実施を控え、市議会では「基本的には賛成」としつつ、いくつか注文も出ている。特に多いのが滞納給食費の対策。市教委によると今年度だけで292世帯の約624万円、過年度分を含めると累計1730万円もの滞納がある。無料化で滞納世帯の“食い逃げ”を許すことにならないか、と▼人口減や「子どもの貧困」が社会問題化する中、給食無料化という政策は今後、高校無償化や医療費無料化と同様に広がる可能性もある。そうなったときにみどり市の優位性は保てるのかという疑問もある▼給食無料化は、保護者が担ってきた子どもの食費を市民全体で負担する大転換。「ただより高いものはない」とならないよう、慎重な議論が必要だ。(成)
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