毎年6年生が卒業記念に1年かけて校舎内のトイレを磨く伝統がある、みどり市立笠懸東小学校(武雅彦校長、全校児童数489人)。今年度で10周年を迎えたこの取り組みをたたえようと、同トイレ掃除の指導役を務めたボランティア団体から同校に、手づくりの記念品が贈られた。
6年間お世話になったトイレをきれいにして後輩たちに引き継ごうと、2007年度から続く同校伝統のスーパートイレ清掃。6年生が長期休暇を除く毎月、通常のトイレ掃除とは別の時間を設けて続けている。
17日に記念品を贈ったのは、同市大間々町を拠点にトイレ掃除に取り組むボランティア団体「郷土を美しくする会」(松崎靖会長)。開始当初から同校で指導役を務め、歴代の子どもたちと一緒に校舎内の便器を磨いてきた。
記念品は、掃除の象徴であるほうきの置物。掃除に学ぶ運動の提唱者で、同校のトイレ掃除に以前参加してくれた鍵山秀三郎さんの言葉、「ひとつ拾えばひとつだけきれいになる」をステンレス板に焼き付けた。
手作りしたのは、福島県田村市でトイレ掃除に取り組む、農機具製造卸業の永井弘純さん。松崎会長発行の月刊紙で同校の取り組みを知って感銘を受け、“世界に一つだけの記念品”を手作りして2月に持参した。
同校で行われた記念品贈呈式には、郷土を美しくする会のメンバー3人が出席。6年生77人を代表して藤生咲喜さんが3人から記念品を受け取り、感謝の言葉と「この星に生まれて」の合唱を披露してお礼をした。
松崎会長は「だれにでもできる簡単なことを、だれにもできないくらい続けることが一番難しい。大きなことを成し遂げた人の裏には必ず小さなことの積み重ねがある。そのことを忘れずにいてほしい」とエールを送った。
記念品は同校の来校者用正面玄関前のケース内に常設展示する予定だ。
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