Quantcast
Channel: ウェブ桐生タイムス
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2430

ミキサーの中身

$
0
0

 生きているネコは「にゃあ」と鳴きます。ではネコをミキサーにかけたとして、成分は同じですけど「にゃあ」と鳴きませんね。土壌も同じです。例えば造成で他の場所から持ってきた土を入れたとする。成分が変わらなくても「切り取って貼り付けた土壌」は、ミキサーにかけたネコと同じで生きていない。過激な例えですが、そういうことなんです▼桐生自然観察の森で開かれた土壌観察会で講師を務めた田村憲司さん(57)=筑波大学大学院教授=の言葉だ。ネコ好きとしては若干気持ち悪くなってしまったけれど「その分印象深く残るでしょう」。注目されにくい「土壌」だからこそ、強い表現で大切さを説いた▼木々が豊かに育つ肥沃な土が1㌢できるには100年かかるといわれ、岩だけの地から立派な土壌になるには気が遠くなるほどの時間が必要となる。ヒトの技術力をしても及ばないところにあって、それは決して替えが利かない命をはぐくむための時間だ▼異なった存在の土壌とネコのちょっと過激なたとえ話。両者を全く同じように考えるのは難しいけれど、その話には命の価値や自然環境の大切さ、かけがえのなさを確認するための鍵が、たくさん詰まっていた。(
関連記事:


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2430

Trending Articles