桐生市菱町一丁目に住む二渡静江さんが、古希を記念した手づくりの歌集「旅のはじまり」を完成させた。手書き、和とじの一冊は、1年がかりの労作。15歳のときに出合った石川啄木の短歌をきっかけに始まった長い旅の、これが一つの節目となる。7日から9日まで梅田ふるさとセンターで、水墨画の磯すみ子さん=みどり市東町=と「花輪の山猿二人展」を開催し、これまで支えてくれた家族や仲間への感謝を伝える。
二渡さんの旅の始まりは20歳のころ。石川啄木に憧れ、「やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに」の歌碑が立つ岩手県の渋民を訪れた。
そこから短歌をはじめ、日々の暮らしの中で見つけた何気ない風景をはじめ、母親、子ども、孫たちとの生活の手ざわり、30年来続けている高校時代の友人たちとの旅の景色などを歌に詠み、ノートにこつこつ書きつけてきた。
手づくりの単独歌集は、二渡さんが長年温めてきた夢の一つ。節目の古希に合わせ完成させようと一念発起し、黙々とした作業を続け、ようやく完成にこぎつけた。
「13年前に亡くなった母にささげる章も編めた。きっと喜んでくれるはず」と二渡さん。師匠の宮地岳至さんからは丁寧なことほぎもいただいた。
7日から始まる「花輪の山猿二人展」では、二渡さんの短歌や書、絵手紙などの作品およそ60点のほか、磯さんの水墨画の作品も多数展示する。
2人は同郷の出身。「磯さんの作品もすばらしい。今回の歌集と展示を節目に、人生の第2章を開きたい」と、二渡さんは抱負を語る。
会場は梅田ふるさとセンターで、展示時間は午前10時~午後3時。入場無料。「旅のはじまり」の一部を抜粋した簡略版も配布する。
展示についての問い合わせは梅田ふるさとセンター(電0277・32・1100)まで。
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