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Channel: ウェブ桐生タイムス
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選べる意味

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 笠懸付近を車で走りながら、これは何の畑なのかと首を傾げることがある。鮮やかな緑色の植物が細い枝を無数に伸ばし、無造作に成長している。市場の関係者に尋ねてみるとそれはおそらくアスパラガスと、謎を解く▼この時期のアスパラは柔らかくて食べやすい。調理も簡単。旬の野菜は味付けもシンプルでOK。隣の足利では、アスパラガスの生産農家が増えている。JA足利では「あしかが美人」のブランドで、イチゴ、トマトなどと並んでアスパラを特産品として売り出している▼春先の寒さの影響で、今年の野菜の成長は全般に遅れぎみ。入荷量も例年より少ないのだと、市場関係者は話す。見れば向こうにもう一つ、別のアスパラの箱が。聞けば海外からの輸入物で、生産地はメキシコ。卸値は国内産のほぼ半値だ▼価格で選ぶ人もいれば、安全性や農家の支援を考慮し割高な国内産を選ぶ人もいる。そんなふうに選べるという状況こそ、食の安定供給が機能している証しともいえる。市場関係者の苦労も、そんなところにある▼昨夏の台風被害でジャガイモの生産量が減少し、ポテトチップの製造に影響が出ていると聞く。天災の増える時代。食の安定供給の意味を、もっと考えてみたい。(
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