桐生球場の外野フェンスに、ピッチングマシンメーカーの名前が新たに加わった。発足したばかりの新法人「スポーツギア」が、地域での存在感を高めたいと広告を出した▼開発に心血を注いだ新型機は優れものだ。投手がボールを投げるときに用いる基本の指は親指、人さし指、中指の3本。マシンも同じ原理で、三つのローターの回転で球に変化を加え、ほぼ全ての変化球を投げ分ける▼仕様上の最速は160㌔だが、実は世界最速の大リーガー・チャプマン並みのスピードも動作テスト中に記録した。投球パターンをコンピューターに記憶させ、特定の投手を模すこともできる▼高校での実践練習を念頭に作られた機械だが、プロのパターンを入力すれば、憧れのピッチャーとの模擬対戦もできそう。実際、売り先にプロ球団も見据える。タブレット端末で遠隔操作できる機能はテレビで人気の「リアル野球盤」に向く気がする。用途と販路の広がりも期待が持てる▼ピッチングマシンにIT(情報技術)をいち早く導入した同社。社長らに「将来はAI(人工知能)で投げそうですね」と水を向けると、都内で開かれた人工知能展を見に行ったばかりだと笑った。探究心の強さに恐れ入った。(悠)
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探究心の結晶
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