東日本大震災で被災した福島県内の親子を群馬県内に招く「福島の子ども保養プロジェクトinぐんま」(生活協同組合コープぐんま主催)が29日から31日まで、桐生・みどり両市内で開かれている。10家族35人が参加し、29日午前、桐生市相生町一丁目のコープぐんま本部で歓迎式典が開かれた。
震災による福島第1原発事故の影響で放射線量の比較的高い地域の子どもたちを対象に、夏休みに県内で伸び伸びと過ごしてほしいと2013年から毎年参加者を公募しており、今回で5回目。桐生地区での開催は14年以来2回目。
式典で梅澤義夫理事長は「まだ、住んでいた場所に戻りたくても戻れない状況が続いていると聞く。原発事故から6年が過ぎ、忘れられてきているが、私たちは忘れず、やれることを一緒にやっていく。3日間、自然豊かな群馬で有意義に過ごしてください」と述べた。
桐生市の鳥井英雄副市長とみどり市の星野次男危機管理監も出席。鳥井副市長は被災地の復興支援で市から南相馬市に職員を派遣していることに触れ、「今後も継続支援する。群馬の夏が楽しい思い出になりますように」と語り掛けた。
一行は期間中、岩宿博物館での勾玉(まがたま)作りや県立ぐんま昆虫の森での自然学習会などを体験。薮塚温泉のホテルふせじまに泊まり、上毛かるたで群馬を学ぶ。
福島市から両親とともに訪れた酒井優成君(11)は「岩宿遺跡を見るのが楽しみ」、弟の康成君(8)は「昆虫の森でヘラクレスオオカブトムシを見たい」と笑顔で話した。
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