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貴重な楽器3台、一堂に展示 童謡ふるさと館

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 天皇陛下の母・香淳皇后ご愛用のピアノと、1900年製のオルガン、現代ピアノとは異なる“ウィーン式”ピアノ。歴史的、文化的に価値の高い3台の楽器が、みどり市東町の童謡ふるさと館の童謡ホール(常設展スペース)でそろって展示されている。同館ファミリーホールで保管していたものを改めて展示。約25年間同館に勤務した元職員も「3台が並んで展示されるのは初めて見た」という。

 いずれも1989(平成元)年の同館オープンにあたり、桐生市広沢町五丁目にあった「小室楽器」の小室友彦さんの協力で展示・公開された品。のちに同館が購入するなどしていた。

 再びの展示は、お茶の水女子大付属高校音楽教諭の原大介さんが唱歌調査の一環で同館を訪問したのがきっかけ。古いピアノの修復に携わった経験もある原さんがピアノを中心に、それぞれの楽器の価値を再確認した。

 同館では所有する貴重な財産についてより広く知ってもらおうと、改めて3台を常設展示スペースに設置。昨年までの約25年間、同館に務めていた〓瀬光子さん(67)は「3台が一堂に展示されているのは見たことがなかった。感激です」と笑顔を見せる。同館の山銅敏男館長は「実物を見る機会が少ない逸品ばかり。興味のある人はぜひ来館を」と呼びかけている。

いずれも貴重

 「香淳皇后ご愛用のピアノ」は、1931(昭和6)年、米国スタインウェイ社が当時の宮内省の特別注文を受けて製作されたという。正面パネルには菊の御紋をもとにデザインされた文様が彫刻されているアップライト式。

 オルガンはカナダベル社が1900年に製造した高級品で、国内の現存数はごく少数といわれている。

 グランドピアノはライラ社(オーストリア)製のもので、明治期には生産がストップした「ウィーン式ハンマーアクション」を採用。原さんは「楽器として非常に価値が高いもの。ウィーン式は日本になじみが薄く、世界を見ても数少ない。保存状態を把握して修復など考えてほしい」と話している。

 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。原則月曜日と冬期(12月1日~2月)休館。入館料は中学生以上200円、4才から小学生100円。問い合わせは同館(電0277・97・3008)へ。
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