26日に埼玉県戸田市の荒川貯水池で行われる土木学会関東支部主催の「第23回土木系学生によるコンクリートカヌー大会」に、県立桐生工業高校建設科のチームが出場する。一昨年から出場し、コンクリートカヌーを毎年製作している同校。今年は8人のチームで安定感を重視した新艇をつくり、5日には梅田湖に浮かべて試乗、手応えをつかんだ。
ものづくりとレースの楽しさを実感してもらおうと毎年開催されている大会で、昨年は大学、高専、高校31校37チームが出場した。コンクリートカヌーは2人乗りで長さ4メートル以下と規定され、約300メートルのコースを競う。
桐工は、前任校で経験のある宮崎拓也教諭が建設科課題研究でカヌーづくりを提案して参加。一昨年は敢闘賞、昨年は準決勝進出だった。今年は常連校である足利工業大学のアドバイスも受けて3月に製作に着手した。
今年のテーマは「沈まないカヌー」。まずは発砲スチロールで形をつくり、セメント・砂・水などを練り混ぜたモルタルを何層にも塗り重ねた。重量は約60キロと昨年より約10キロ増量したが、十分な浮力で安定感は抜群だ。
ライフジャケットを身につけ試乗すると、ぐらつきはわずかで、パドルで思いきりこいでも浸水は少ない。メンバーからも「速い速い」と声が上がり、スピードも十分だ。
あとは操縦の腕
デザインは「灰色がむき出しでも味がある」と思案中。乗り心地を確かめた副キャプテンの渡辺圭介さん(3年)は参加を熱望し、先生に直談判しての初出場。出来栄えには「沈まない能力のある船ができた。あとはこちらの腕次第」と大会を待ちわびる。
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