市有の公共施設の延べ床面積が類似都市の平均を大きく上回っている現状を改善するため、同面積を今後20年で20%、同35年で45%縮減する公共施設の総合管理計画を5月に公表した桐生市。21日の市長定例記者会見で、市は施設類型ごとの具体的な縮減策を示す“個別計画”の骨子案について、「できれば年度内の公表を目指し、市民の理解を得ながら進めたい」との考えを明らかにした。
桐生市が所有する公共施設は現在452施設で、延べ床面積は72万7522平方メートル。市民1人当たりでは5・71平方メートルで、全国の類似都市平均値の約1・8倍に上っている。
さらに公共施設の多くが1969~83年度に集中整備されているのが特徴。大規模改修の目安となる築30年以上の建物が67・1%を占め、10年後には87・2%となる見込みだ。
市は公共施設の延べ床面積を今後20年で20%、同35年で45%、それぞれ縮減する公共施設見直しの“全体計画”を2016年度末に策定。5月中旬から市ホームページなどで公表した。
同計画では「人口減などに伴う厳しい財政状況の中、すべての施設を維持するのは困難」と指摘。施設総量を縮減し、複合化や多機能化などで利便性向上を目指すとした。
さらに施設類型ごとに縮減率の数値目標や大まかな管理の方向性も示したが、どの施設を統廃合するかといった具体的な縮減方法については“個別計画”で示すとしていた。
会見で個別計画策定の進捗状況を問われた鳥井英雄副市長は「庁内で現在検討中だが、できれば年度内に(個別計画の)骨子的なものをまとめて公表したい」と述べた。
さらに「公共施設の整理縮小や統廃合は避けて通れない。(骨子案の公表と同時に)パブリックコメント(市民意見募集)という形で市民の理解を得ながら進めたい」とした。
亀山豊文市長も「限られた財源の中で、役目を終えた公共施設を見直し、時代に合った施設にしていく必要がある。市民に理解を求めながら丁寧に進めたい」と述べた。
公共施設の総合管理計画は、公共施設の現状や問題点をまとめた「市公共施設等白書」とともに、市ホームページで閲覧できる。問い合わせは市役所本館3階の企画課(電0277・46・1111内線524)へ。
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