桐生地方も7月下旬からきのうまでは曇りや雨の日が多く、「夏らしくない夏」となった。特に8月は桐生市で真夏日(最高気温30度以上)が22日までで11日と過去15年では「2003年冷夏」の9日に次ぐ少なさとなり、うち猛暑日(同35度以上)はわずか1日しかなかった。天候不順は「夏の商戦」や、日照不足に伴う農作物への影響が懸念される。一方、熱中症救急搬送者は昨年の4割に減り、長雨で水不足は解消された。
気象庁によると、天候不順は太平洋高気圧が弱まり、オホーツク海高気圧が強く張り出して冷たく湿った空気が流れ込んだのが原因。このため曇りや雨の日が多くなり、例年より真夏日や猛暑日が減った。ちなみに桐生市の梅雨明け以降の真夏日は22日までの35日間で19日(うち猛暑日は3日)で、昨年同期より真夏日は6日、猛暑日は2日少なかった。
日照時間(桐生市)は梅雨明け直後まで暑い日が続いた7月は163時間で平年より2割多かったが、8月(22日時点)は48時間で平年の4割にとどまった。
降水量(同)は、6月は80ミリで平年の約半分だったが、7月は下旬の豪雨で238ミリとなり、平年を約4割上回った。8月(22日時点)も157ミリと平年を約2割上回った。渡良瀬川上流の草木ダム流域にもまとまった降雨があり、同ダムの貯水量はほぼ満水に回復。6月下旬から実施していた同河川の10%取水制限は8月7日に解除となった。
一方、市消防本部管内の5月以降の熱中症救急搬送者(22日時点)は70人で、熱中症が急増した2010年以降では昨年(68人)に次いで少なかった。月別では5月5人、6月9人、7月43人、8月13人で、特に8月は10年以降の同時点で最少だった昨年(32人)の4割に減少した。症状別では3週間以上の入院が必要な重症は1人、入院が必要な中等症は34人に上り、搬送者の半数は65歳以上の高齢者だった。
前橋地方気象台によると、向こう1週間は、前半は高気圧に覆われて晴れ、気温が高く、後半は湿った空気の影響で雲が広がりやすく、蒸し暑い日が多い見込みとして、熱中症など健康管理に注意を呼びかけている。
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