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身近に美術館

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 週末に県立美術館をハシゴした。「日本美術のススメ」の高崎と、ユニーク企画「カミナリとアート」の館林を一日ずつ。感じたのは「編集」の妙で、何をどういう順にいかに見せるか、同じ作品でも迫ってくる力が違い、系列や同時代の関係性を納得させられる▼「日本美術」は夏休みらしい啓蒙企画で、掛け軸と巻子、屏風、画帖といった形態から、目黒区美術館制作の「画材と素材の引き出し」で顔料や膠や筆や支持体の多様性を知り、江戸期の手本類に勉強法を垣間見て、いざ。狩野派、琳派、禅画、南画、浮世絵と、腑に落ちてくる▼井上房一郎氏寄贈の日本画たちは普段、奥まった一室に潜んでいるので暗くて没個性的な印象だった。しかし今回、日の目を見たように線は生き生き金箔きらめき、光琳朝顔の丸い群青いとしく椿山の日光スケッチはリアル。ゆかりの翠雲、烏洲も新鮮だった▼館林では神社の奉納絵馬から現代作家の電気仕掛けまで、ジャンルを超えて畏怖と恩沢のカミナリさまがた。郷土かるた「雷と空風義理人情」は伝統的な雷神モチーフだが、国定忠治らGHQがまかりならぬとした人たちへの思いが込められているなんて、初めて知った▼美術館の効用、多々。(
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