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録音図書づくりで表彰、積み重ねた功績に光

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 視覚障害者のための録音図書をつくっている桐生朗読奉仕会と会員の荒畑光江さん(75)=新宿二丁目=、石田淑子さん(83)=梅田町一丁目=が、第47回「朗読録音奉仕者感謝の集い」で表彰を受ける。荒畑さんは全国表彰で、同会と石田さんは関東甲信越地区表彰。会や会員が一歩一歩詰み重ねてきた功績への評価に喜ぶ竹内彰会長(82)は、「みんな楽しみながら、きっちりそれぞれの役割を果たしてきたことが会のまとまりとなり、受賞につながった」と振り返った。

 1965年発足の同会は、市の定期刊行物・書籍などを朗読してテープやCDに吹き込み、録音図書を製作。桐生市立点字図書館に収めており、蔵書8948タイトル(2017年3月末)の多くを手がけた。

 現在は85人の正会員が所属し、朗読録音図書の製作にかかわる朗読、校正、CD作製などで活動。毎年入門講座を開催して後進の育成に尽力していることから、今後ますますの活躍を期待する「グループ奨励賞」を初めて受賞した。

 今年度、講座を終えて朗読録音をスタートした新会員もいる。竹内会長は「初めてなので校正も多いだろうけど、くじけないで続けてほしい」と期待を寄せた。

 個人受賞した荒畑さんと石田さんは、同会で朗読録音を担当。荒畑さんは1982年に入会して以来、約35年間、期間を開けずにこつこつと実績を積み重ね、録音時間は1035時間にものぼる。全国表彰を受けるのは同会で3人目だ。石田さんは98年の入会後、566時間以上を録音。約20年かけて長編シリーズ物に取り組むなど、じっくり活動に向き合ってきた。

 朗読録音は、事前に読み方や発音、内容などを調べ、下読みをして取り組む。朗読後も確認・修正し、校正を受けて、再び修正する。地道な作業だが「少しでも上手になりたいと思うから続けてこられた」と石田さん。声の調子や活舌は特に注意していて、発音しにくい言葉がある場合、荒畑さんは割り箸をくわえて口のトレーニングをするそう。「『聞く人の迷惑にならないように』が第一」と心がける。

 「楽しみ、やりがいを感じているから続けてこられた」と笑顔で振り返る2人。「受賞は自分の力だけでなく周りの人たちのおかげ」と感謝を述べた。

 同表彰は、朗読奉仕活動への感謝を示し、活動普及を図り毎年開かれる「朗読録音奉仕者感謝の集い」(9月6~28日)の一環。財団法人鉄道弘済会と社会福祉法人日本盲人福祉委員会が主催。9月6日に関東甲信越地区表彰式典が、28日に全国表彰・厚生労働大臣賞・文部科学大臣賞表彰式典が、東京都文京区の弘済会館で行われる。
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