縄文時代草創期の暮らしを伝える史跡・西鹿田中島遺跡(みどり市笠懸町西鹿田)の保存整備計画が大詰めを迎えている。芝生の広場に住居跡や土坑などの遺構が点在する約1万2200平方メートルの「史跡公園」として来春のオープンを予定しており、現在は竪穴式住居の復元工事が進行中。出土品のレプリカや古代集落のジオラマ(模型)を展示するガイダンス施設も近く着工し、来年3月に完成の見通しだ。
同遺跡は、桐生市新里町と伊勢崎市香林町との3市境付近の丘陵地にある縄文時代草創期の遺跡。約1万1000年前の貯蔵穴群と約1万年前の住居跡がそれぞれ重なり合って発掘され、旧石器時代から定住的生活への移行期の様子を示す貴重な遺跡として、2004年9月に国の史跡に指定された。
同市教委は2011年3月に保存整備基本計画を策定。13年3月に基本設計をまとめ、芝生広場に遺構の案内板や竪穴式住居の復元模型などを配置する史跡公園として整備を進めている。計画から公園整備までの総事業費は3億3725万円で、うち遺跡を土地所有者から購入する費用の8割など計1億6738万円を国庫補助で賄っている。
当初は15年度の完成をめざしていたが、ガイダンス施設などが計画に追加されたほか、用地買収が遅れるなどし、着工が15年度にずれこんだ。15、16年度に植栽や園路などを整備し、今年度に竪穴式住居の復元やガイダンス施設、駐車場、案内看板の工事を行う。
ガイダンス施設は木造平屋建て約182平方メートルの建物で、同遺跡の代表的な出土品である「爪形文土器」や石器などのレプリカ、縄文草創期の集落のジオラマなどを展示するほか、体験学習などの会場となる研修室、トイレなどを備える。
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